マイナー戦法:銀立ち陣に関する考察

はじめまして。樹林で9月からバイトをしている川村と申します。将棋の講座、レッスンなども受け持っています。店のHPを使って戦術コラム、コラムなど書いていくことを許されましたので、好き勝手にいろいろ書いていきたいと思います。記念すべき第一稿目です。不慣れなところあると思いますが、何卒ご勘弁を。記事の感想、アドバイスなどありましたら気軽に伝えてください。

皆さんは、銀立ち陣という戦法をご存じでしょうか。あまり知られていない戦法だと思うので、この私がこの銀立ち陣という戦法に新たな風を吹き込み、この記事を読み終わったころには「早く試したくて仕方がない」と思って頂ける、そんな記事にしたいと思います!!!

よくある相居飛車の角換わりの将棋の序盤戦で、▲75歩と突いたこの局面。私がこの手を初めて見たのは、1997年発行「B級戦法の達人」(週刊将棋編)という書籍の「難攻不落銀立ち陣」という項の中です。この書籍には私自身とても影響を受けており、すごくおすすめの本です。(今までに「B級戦法の達人プラス(2002)」という増補版も発行されているようなので是非!)この書籍の中では特に、「ポンポン桂」は研究によっては十分に使える戦法だと考えています。(記事は後程…)

本記事の中ではこの戦法を書籍から取って銀立ち陣と呼称しますが、別の名前がある可能性はあります。悪しからず。

 先手が▲75歩から▲76銀~▲77桂と85の歩をかすめ取りに行く狙いを見せると、後手はそれを許すわけにはいかないので、自分から8筋を交換することになります。▲87金~▲85歩と一度局面を収め、▲77桂と跳ねた形が銀立ち陣といわれる格好です。(美しい!!!)

 この後、先手は▲69玉から▲78玉とし、右の金銀の活用を図っていきます。

※ここで▲69玉に代えて▲68玉としてしまうと、△86歩という手が生じる。▲同金には△88角があり、▲88金には△54角などで相当先手勝てない形勢。

局面が大きく進んで下図。△74歩と合わされた局面は難しいながら玉頭を攻めている後手が勝ちやすい形勢でしょう。

直前の▲66歩に代えて、▲86金と浮いて受けるのが相手の手を消す、厚みの将棋という感じの手が推奨手です。先手も後手も手を作るのは容易でない格好になっていて、先手としてはどこかで▲45歩~▲37桂などを狙っていく将棋になります。

先手の銀立ち陣の良さとは、なんといっても手厚い力戦の将棋にできることでしょう。角換わりの将棋が研究将棋の最前線である昨今、研究を外して主導権を握れる(かもしれない)点は大きいでしょう。

もっと言えば、97~86のルートで玉を逃げ出した時の浮遊感はたまりません。

銀冠の97の地点で凌いで勝ったときの5倍くらい気持ちいいです!!。

手厚い将棋が得意な方や、定跡を外してライバルを驚かせたい方はぜひチャレンジしてみてください!!!

ここで記事が終わると思ったそこの方。もう少しお付き合いください。これから銀立ち陣の倒し方について見ていきます。

そもそも、銀立ち陣に遭遇したことがあるか?という問いに、ほとんどの方がNoと答えるはずです。(将棋歴14年ほどの私は、対戦相手にこの銀立ち陣をやられたことがありません。私自身が重要な試合で採用したことはありますが、その試合で負けたので封印しました、、、)

どうしてほとんどの人が知らないのか、採用しないのかといえば、理由は一つしかないでしょう。そう、勝ちづらいからです。

例えば、先手は86金と手厚く抑え、後手は矢倉に入城したこの局面は、後手から手を作ることが出来る局面です。

一つは、△74歩▲同歩△同銀▲75歩△85銀(!)と強襲する手があります。以下▲同桂△同桂▲同銀△73桂と進み、歩のない先手は収集付かない格好となっています。

▲74銀打にも△85桂▲同銀△94銀などとしておいて先手から適当な受けがありません。

△74歩と合わせたところでは、△84歩▲同歩△85歩▲同桂△84飛という手順も有力で、

以下▲87歩△85桂▲同銀△81飛となった局面は、金銀がうわずっている先手がまとめきれない恰好です。

このように、「難攻不落銀立ち陣」と銘打たれたこの戦法、実は難攻不落とは言い難く、85の位を金銀桂の三枚で支えているとはいえ、戦場が玉頭に近すぎてお話にならない。というのが本記事の結論です。皆さんは戦場からなるべく戦場から遠いところに王さまを囲い、金銀を王さまにくっつけて戦いましょう。、、、

大変残念なことですが、これ以上この戦法を改良する案は私の実力では考えつきませんでした。▲77桂と跳ねる構想にした時点で評価値は500点ほど後手に振れるし、▲77金と寄って▲88飛と転回する構想にするのであれば、そもそも角頭歩戦法や坂田流向かい飛車など、別の戦法をやればいいと個人的には思います。この場合25まで歩を伸ばしまっているのは先手にとってマイナスなので、先手が好んで選ぶ戦法ではないでしょう。(しかもこの図は△79角という手も残っているためダイレクトに転回できず、▲58飛や▲78飛などと途中下車する必要があります)

弱点ばかり書いてしまいましたが、、私は好きですよ、銀立ち陣。

駒落ち上手の練習になるし、芸術要素も高いですしね。(←フォロー??)

第一稿目はこんな感じでどうでしょうか。

※※「銀立ち陣という戦法に新たな風を吹き込み~~のくだりはなんだったんだ」という声は聞かなかったことにします。次回もおたのしみに!

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