碁会所は対面で様々な人と囲碁が打てる場です。
盤に石を打つ感覚や、対局相手の息遣い、間を感じつつ打つ碁は、程よい緊張感と非日常感が感じられとても良いものです。
店長は昔バンドを組んで音楽をやっていたのですが、初めて対面で打った時は初顔合わせの初セッションを思い出しました。
しかし初めての碁会所で初対面の方と打つというのはとても不安に感じることも多いかと思います。(私も自分の店以外は未だに緊張します。)
また人と人同士で行なう対局ですので、自分だけが楽しい、相手だけが楽しいという状態は避けねばなりません。
そこで気持ちの良い対局、気持ちの良い体験をするために碁会所で気をつけたいマナーをご紹介します。
挨拶をする
これから19路盤で対局するということは、囲碁を通して少なくとも30分以上は同じ時間を共有するということです。
対局前は必ず「お願いします」と挨拶をしましょう。
できればお名前と段級位も名乗ることをおすすめします。(これは碁会所側でご紹介する場合もございます。)
礼儀正しい方というのは接していてとても心地が良いものです。
囲碁の対局中はほとんど無言で進むと思いますので、開始前の挨拶が気持ちの良い一局のスタートです。
なるべく敬語を使う
囲碁は年齢をほとんど関係なく楽しめる競技だと思います。盤上では盤外の情報は必要無いのです。
また、碁会所で囲碁を打つ場合は棋力の高い低いも全く関係ありません。
自分が年上だからとか、棋力が高いからとか、それ自体は素晴らしいことなのですがお互いがもてる力を尽くして対局をするのです。
できれば敬語で、相手に敬意をもって臨むことがマナーであると思います。
気心が知れていれば問題ないのですが、少なくとも初対面の方にいきなりタメ語はやめましょう。
打つところが決まってから碁石をもつ
これはうっかりやってしまうシリーズなのですが、打ってない時に碁石を触るのはやめましょう。
相手が考えているときや自分が打つところを考えているとき、
手持ち無沙汰でついつい碁笥に手を突っ込んでしまい碁石をジャラジャラしてしまうという行為。
気持ちは大変分かるのですが相手や周囲の対局者の気を散らしてしまいますのでやめましょう。
また石を持ったまま盤の上をうろうろしてしまうのもやめましょう。迷い箸のようなものです。
うっかり碁石を落として盤面を崩したりとろくなことがありません。
石を持ったら打つ。打つところが決まらないなら持たない。
これを心がけておけば大丈夫です。
対局中に口を出さない
これもうっかりやってしまうシリーズ。
自身の対局中は言葉を発しないように心がけましょう。
気心が知れていればぼやきも楽しさの一部ではあるのですが、マナー的にはあまり美しくないことが多いです。
また他人の対局には絶対に口を出さないようにしましょう。
映画館で映画を楽しんでいる時に知らない人からいきなり声をかけられて、ネタバレを延々と聞かされるくらいの異常行為です。
終局を確認する
ちょっと難しいのですが、ダメを詰め終わって終局をする際は相手のパス若しくはもう打たないという旨を確認するようにしましょう。
自分の時も同様で、打たないのであればパスを宣言しましょう。余計なトラブルを避けるためです。
宣言したからには事故が起きても相手のせいではありません。
またダメを詰める段階まで打ったら、できれば整地まで行ない数えるのがマナーです。
投了のタイミングが分からない、終局の仕方が分からない場合はお相手か碁会所のスタッフに一声かけてみましょう。
負けましたと言う
もし対局に負けてしまったらしっかりと「負けました」と宣言しましょう。初対面なら尚更です。
一局への感謝、自身への反省や相手への敬意を込めてきとんと一局を終えましょう。
尊重し合う心
囲碁の楽しみ方は人それぞれ違います。
自分を高めるのが好きな方、教えるのが好きな方、教わるのが好きな方、石を取るのが好きな方、ただただ一局を打つのが好きな方、おしゃべりが好きな方…それぞれ自分の楽しいを持っている方たちがいて、それぞれのポリシーや価値観を持っています。
どれも素晴らしいものです。
そういった人たちと実際に出会い交流し、碁盤を一緒にする場が碁会所です。
自分にない価値観を押し付けたり排除したり、そういった行為は絶対にやめましょう。
「自分だけが楽しい」にならないようにそれぞれがお互いを尊重し合うことが最大のマナーです。