最近、碁会所の閉店をよく耳にします。
原因は、囲碁人口が減った、インターネット囲碁が普及したなど、様々なことが言われております。
碁会所が減ると、囲碁も衰退する…というのが私の持論。
以前の記事→囲碁普及のための碁会所
碁会所が儲からないと、どんどん数は減って行き、
人と打てる場も、学ぶ場も無くなっていってしまいます。
つまり、碁会所は儲からなければならないのです。
それでは、そもそも碁会所の経営ってどうなの?
実際に儲かるのか、といった点について、実体験を元に書いて行きます。
photo credit: Thomas Leuthard
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碁会所の収益
一般的に店舗売上高の計算は、以下の計算にて算出します。
(もちろんこれだけではありませんが、それは後ほど…)
月間売上高=座席数×回転率×客単価×営業日数
なお、私が3年前に樹林を引き継いで、数ヶ月目の数値が以下です。
216,000円=24×0.3×1200×25
一日7〜8人ご来店の計算ですが、
売上高は、月間約22万円
家賃その他原価を考えると、完全に赤字です。
仮に毎日満席(うれしい!)だったとしても月間売上高は約72万円
家賃など、原価等を考えると(それでもかなりコストは削減しないとですが…)
毎日満席にして、なんとか生活できるレベルです。
もちろんこの数値は、通常営業のみの数値(席料をいただいて、プレイしてもらう)
つまり、碁会所を開いて碁盤を置いておくだけでは、なかなか儲からないというのが現状です。
碁会所は何故儲からないのか
他の店舗業態と比べ、碁会所はちょっと特殊な収益モデルとなっています。
碁会所ならではの問題点や、考えられる改善策等を例に挙げながら解説していきます。
回転率が悪い
回転率とは、1日に客席1席あたり何人の客数があったかを示しています。
回転率の高い店舗は利益も大きくなります。
例えば流行っているラーメン屋さんなどは、お昼時だけで5回転くらいはしていますね。
これは、在店時間が大体一人当たり30分程度だからです。
例えば10席しかなくても、開店率が5回転だったら、1日当たり50人のお客様がご来店できるということです。
さて、それに比べて碁会所では、ほとんどのところが1日席料制です。
都内だと、大体1000円〜1500円で、1日ずっといる事ができます。
つまり、1回転以上が見込めないということです。
例え満席にできたとしても、10席しか無い碁会所ならば、10人までしか入ることができません。
もちろん入れ替わり等があるかもしれませんが、来店時に満席の場合、空席を待っていただく事は他業種に比べ、困難です。
それは、売り物が食品である飲食店とは違い、空間、場所を提供している碁会所ならではと言えるでしょう。
もちろん、空間、場所を提供している業種もあります。
漫画喫茶やカラオケ、雀荘といった娯楽施設です。
しかしそういった場所は時間制にしているため、長くいればいる程料金がかかります。
碁会所は1日席料制。長くいても短くても、席料は変わらないのです。
開店率改善対策
とはいえ、時間を気にして囲碁を打つのは辛いもの。
1日席料制だからこそ、ゆっくり楽しめる。それが碁会所のいいところでもあります。
しかし、それで経営が苦しくて場所そのものが無くなってしまっては…本末転倒です。
そこで、他業種とまではいきませんが、碁会所で回転率をアップさせるための改善策として下記があります。
時間帯で料金を分ける
実は、顧客層によって以下のように利用時間に差があります。
その差で、料金体系を分ける(二部制にする)ことによって2回転以上にすることが可能です。
・60代以上のお客様・主婦の方…昼〜夕方過ぎ
・50代以下のお客様…夜
・【都市部限定】昼休みにちょっと打ちたい方…昼
教室を開く
教室や指導碁は時間で区切ることができるため、時間で料金を区切る事ができます。
多くの方を受け入れるためにも、回転率は考えなければならない問題です。
例:10時〜12時/13時〜15時/15時〜17時/18時〜20時等
その他の問題
他にも碁会所には、下記のような解決すべき課題点があります。
・新規来店数がほとんど無い
・顧客客単価が低い
以上の課題点については、今回含め、3回に分けて書いて行く予定です。
碁会所が儲かることによって、活気ができ、サービスの質も向上し、囲碁人口も増えて行く。
初心者から高段者まで、幅広い年代層の方が囲碁を通して楽しく交流できる碁会所がもっともっと増えればと願ってやみません。
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