前回の記事、碁会所は儲からない?で、回転率について書きましたが、今回は顧客単価についてです。
※前記事で、課題点に「新規来店数がほとんど無い」を上げましたが、こちらは、集客について書いた記事があるので、そちらをご覧ください。

顧客単価と聞くと、なんか冷たい響きですが、私はサービス=顧客単価だと考えております。
つまり、提供できるサービスを増やす、若しくは質を上げることが顧客単価の上昇につながります。

お客様一人一人に対して、何を求めているか、どんなサービスが提供できるかを考え、企画し、実行することで、顧客単価をアップさせる事ができるのです。

 

スポンサーリンク

 碁会所のサービスの基本

席料

碁会所の主な顧客単価は、大体席料と同等(¥1,000〜¥1,500)です。
席料に含まれるサービス内容としては、碁盤、碁石と、囲碁が打てるコミュニティの場所…つまり碁会所の環境の提供です。
常に同等の相手や強者と対局できる環境、ホテルのような綺麗な室内、座り心地の良い椅子、オシャレなテーブル、高級な碁盤と碁石、いつも綺麗な受付のお姉さん…
そんな環境を提供できれば、席料が高めに設定されていても通いたくなってしまいますね。

つまり、そういった環境を提供することによって、碁会所は、席料による顧客単価をアップさせることができるということです。

大会

こちらは碁会所のサービスです。
豪華な賞品や、参加するのにちょうどいい棋力の設定。大会の円滑な進行のための準備・運営・結果集計と、挑戦・勝利する喜び、非日常的な勝負の雰囲気…

このようなサービスを提供することによって、席料ではなく、参加費をいただいています。

他にも、リーグの開催等、お客様へのサービス提供を充実させれば、顧客単価をアップさせることができます。

教室

棋力をアップさせたい!という方に向けたサービスの提供です。
分かりやすい指導、通いやすい時間帯の設定、お客様一人一人に対する柔軟な対応、プロによる指導…

より良いサービス、より高い質のサービスを追求していくことが、碁会所の経営をさらにより良い方向へ持っていくことができます。

囲碁喫茶としてのサービス

さて、私が囲碁喫茶樹林を始めた時、囲碁は全くの初心者でした。
おまけにお金も全く無く、お世辞にも綺麗な場所…とは言えない樹林。
場所は駅前では無く分かりにくい上、もちろん碁会所なんてところは今まで行った事も無い。
唯一の、これまでの樹林で培われていたコミュニティもほとんど失ってしまいました。

そんなわけで、当初樹林は碁会所として提供できるサービスがほとんど無い状態でした。
しかし明日明後日でどうにかなる問題でもありません。

私ができるお客様へのサービス…
それは、私自身と、料理、数少ないお客様でした。

料理・お酒の提供

 

写真 (5)

どうすれば美味しいと言ってもらえるか…
そこで、料理は手作りにこだわり、流行っているお店を参考にし、プロの調理方法を学び、お客様の好みをヒヤリングしました。

お酒も、様々な方の趣向に答えられるように、種類を増やし、より美味しいものを、樹林でしか飲めないものを揃えました。

すると少しずつ、お客様の「お気に入り」のメニューを提供できるようになり、顧客単価も徐々に上がって行きました。

今でも、健康に気を使ったものや、季節を感じさせるもの、スイーツ、コーヒー等、どんなサービスを提供できるかを毎回考え、様々なことに挑戦しています。

その結果、顧客単価を開店当初の倍にすることができました。

イベントの開催

花見写真1

ただ打つだけではサービスとして不十分と感じ、
様々なことを囲碁に絡め、また、お客様のニーズの違いに応じて数々のイベントを行ないました。

外で花見をしながら、お弁当とお酒とで囲碁を打ってみたらどうだろうか
級位者だけの大会をしてみたらどうだろうか
飲み比べを実施してみたら、合宿を開催したら、プロのバリスタの本当に美味しいコーヒーを飲みながら打てたら…

樹林でしか体験できないこと。それを提供し続けることで、だんだん経営も上向きになってきました。

 

お客様とのふれあい

折角いらしてくださったのに、お金を払って、打ってさようなら…だけ??
実際に営業して、碁会所に違和感を覚えたのはその部分でした。

もっとお客様の事を知りたい、もっとお客様に私を知って欲しい。
どちらにお住まいなのか、どうしてこんな分かりにくい場所の樹林に来ていただけたのか…

そして、心を込めて作った料理を食べて欲しい、一生懸命囲碁を覚えて成長したところをみて欲しい、いつかは勝ちたい、仲良くなりたい…

お客様は何が好きだろうか。
もっとお客様が喜んでくれることはないだろうか。

そんなことを考えながら営業することによって、様々なサービスを考えるようになりました。

来店時や対局の合間、検討中、入れ替え時、休憩時、退店時…在店の様々な時にコミュニケーションを取り、お客様とのふれあいを大事にしました。

囲碁は下手っぴ。
当初、普通の碁会所みたいなサービスを提供することはできませんでしたが、
私個人として提供できるサービスを常に探し、ただ単純に、お客様に喜んで貰えることを提供することによって、顧客単価はどんどん上がって行きました。

 

まとめ

・顧客単価を上げるためには、様々なサービスを考える必要がある。

・様々なサービスを考えるためには、お客様一人一人のニーズを捉えることが重要である。

サービス次第で、顧客単価は大きく変化する、ということですね。
また、囲碁だけに捕われず、様々なことを行なってみることが大事です。
特に、そこでしか体験出来ない事を提供することが、難しいですが、一番価値のあるサービスだと思います。

それではまた次回です!

 

スポンサーリンク

囲碁将棋喫茶樹林公式サイトはこちら