囲碁って何が面白いんでしょう?
久しぶりにそう聞かれて、うむむ…となりました。

囲碁は効率を争うゲームです。
石に役割は無く、自分の力で、石一つ一つを使い、
真っ白な大地に自分の陣地を作って行く…

また、相手とのやり取りも、醍醐味の一つです。
相手の考えていることの裏をかいたり、時には妥協したり、
妥協の中にも狙いがあったり、未来を見据えた手があったり…
相手と石と石で会話しながら対局をしていく。

老若男女問わない、みんなで楽しめる囲碁
なんて素晴らしいゲームなんでしょう!

…と、いうのは、囲碁がそもそも楽しい!と、思っている人だけなんですね。

囲碁ってなんじゃろ?と思っている人にとっては、
「ふーん…」で終わってしまうこと。

すっかり囲碁が楽しくなった私は、この本質的な問題をすっかり忘れておりました…。

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やってみなければ分からない

囲碁は、やってみないと楽しさが分かりません。
これは、残念ながら認めなければなりません。

よく考えれば、なんでもそうですね。

例えば私、結構多趣味なのですが、
フットサルに全く興味がありません。(例えば…の話です!)

例えば、いくら私に、シュートフォームがどうだとか、ドリブルがどうだとか…
◯◯選手がいかに素晴らしいかなど、
そんなこと言われても、やっぱり「フーン」で終わってしまいます。

でも、例えば付き合いで始めたフットサル。
ゴールを決めた!相手の隙をつけた!いいパスが出せた!仲間と喜びあった!その後の飲み会が最高だった!
その経験から、次の参加が楽しみになります。もっとうまくなりたいなぁ…と思うようになるのです。

もっとうまくなりたいなぁ…と思った時に、
うまくなる方法を教えられると、フムフム…となりますが、
別に興味が無い(うまくなりたいとそもそも思っていない)人に対して、うまくなる方法を教えても、
フーンになってしまいますね。
受け手の求めていることと、教える側の意図が食い違っているところが何よりの課題です。

相手が何を求めているか?囲碁普及への道

人それぞれ、囲碁への道は違います。
理想としては、囲碁にまっっっっったく興味なーしという方を取り込みたいところですが…
こちらはまた後日ということで。

今回は、囲碁にちょっっと興味を持った人に対して、
囲碁の魅力を知ってもらう
囲碁を続けてもらうにはどうしたら良いのでしょうか。

先にも申し上げたように、相手が何を求めているかによって、アプローチの仕方が大きく違います。
実はこれ、囲碁ならでは…では無いんですね。
どんなジャンルでも一緒なのですが、受け手は囲碁に対してなんにも知らないのに、教える側は、囲碁に固執しすぎてしまうのです。(私がそう。)

囲碁の魅力を知らなくても、囲碁を続けることはできます。
そして、囲碁を続けていれば、そのうち自然に囲碁が楽しいと感じるようになります。

さっきの例のように、もっとうまくなりたい!となったことが良い例ですね。
つまり、「囲碁を教える」というよりは、「もっとうまくなりたい!」と思わせる事が重要なことです。

もっとうまくなりたいと思うきっかけとは?

囲碁を始めるきっかけは様々ですが、「もっとうまくなりたい!」と思うきっかけというのは、実は最初はそんなに多くありません。
しかし最も忘れがちな部分であることを今回反省致しました。
「もっとうまくなりたい!」つまり、「もっと囲碁をやってみたい!」と思うときって、どんな時でしょう。
私も3年前は全くの初心者でした。ちょっとズレるかもしれませんが、その時の初心を思い出しながら考えてみます。

褒められたとき

かなり単純なのですが、私はこれが一番の継続の原動力だったかもしれません。

しっかり打てると、みんなが褒めてくれるのです。
「素晴らしい!」「センスがある!」「もっと強くなれる!」
嬉しく無いはずが無いのです。当時の私は、もっと褒めてくれ…状態でした。

子供の頃は挨拶しただけで褒められたものです。しかし大人になると、あんまり人に褒められません…。
それは大人になるにつれて、新しい事、初めての体験という機会が少なくなっているためです。

ちょっと照れくさいのですが、自分より年上の方や、特に女性なんかに褒められちゃったりすると、(私は)それだけで、もっと褒めてもらいたい!だから、一生懸命覚えたい!となっていました。

ちなみに、褒めてる側は、実は別にお世辞を言っているわけではないのです。
初めてのこと、教わった事が出来ている。それだけで褒める理由は充分なのです。

反対に、教える事に熱中するあまり(誰も悪意は持っていないと思うのですが)、「ここはダメ」「それはダメ」と、否定的に言われてしまうと、とても「もっと囲碁をやりたい!」と思えないでしょう。

成長が感じられたとき

囲碁はハンディで石を沢山置く事ができます。
特に入門の時は、一つ何かを覚える度に、石がひとつふたつ一気に強くなれます。

成長を実感したとき、もっと覚えられたら、もっと強くなれるかもしれない…という期待が持てます。
先日いらしてくださった方は、9路盤で9子置いて初心者の方と勝負していました。

入門の方は、最初は9子でも勝てなかったのですが、1時間ずっと挑み続け、石3つ分も強くなっておられました。

次はこうしよう、ああしようと考えて、それがしっかり結果に残る。じゃあ、次はもっともっと!となる訳です。
私の今の継続の中心はこれです。
あの人に4子で勝ちたい!4子で勝ったら3子で勝ちたい!
勝ったらもちろん嬉しいのですが、何より勝てるだけの力が身に付いたことがなにより嬉しいんです。

ライバルができた時

強い人とばかりだと、自分の立ち位置がなかなか分かりませんが、
自分と同じくらいの人と仲良くなると、分からない気持ちや、お互いに学んだ事の共有ができます。
また、同じレベルの相手に勝つことがなによりの楽しみであり、目的になってきます。

自分の思う通りに打てた時

自分がこうしたい!と思ったことが本当にその通りになった時、自分の考えは間違っていなかったんだ!という自信がつきます。
すると、もっと他の部分でもうまくやりたい!と思うようになるのです。
最も単純なのが、石を取ること。

この石は取れるんじゃないかと思って実際にやってみたら、本当にとれた!
この体験は、今も忘れられません。

意識が変わったとき

始めたての頃、私は色々よく勘違いをしていました。
見える範囲が狭かったからです。

初心者のうちは、部分部分に目が行きがちだったのですが、その視界が開けたとき
新しい発見があったとき、自分の中の常識が覆り、大きな感動を覚えました。

今迄とは違う自分になれた、いわばアハ体験のようなものです。

ちなみにこれを経験すると、やっぱり急に石4つ分くらいは強くなります。
この「気づき」「意識の変化」が、まだ知らない世界へのわくわくにつながり、継続することができました。

まとめ

思い出すと色々ありそうですが、なんだかまた「囲碁より」な考えをしそうなので、ちょっと休憩。
「何が楽しいの?」と聞かれたとき、もちろん楽しい理由はたくさん並べられますが、やっぱり本当の楽しさは、触れてみないと分かりません。

ですので、今度誰かにそう聞かれたら、色々言葉を並べるよりも、
「じゃあ、ちょっとやってみようよ!」と切り出してみることにしましょう!

 

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